オーラルフレイルを知っていますか?

更新

日本老年歯科医学会は,日本老年医学会日本サルコペニア・フレイル学会と合同で,
2024年4月1日に「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」を公表しました。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルは,口の機能の健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態です。オーラルフレイルであると,将来のフレイル,要介護認定,死亡のリスクが高いことがわかっています。

オーラルフレイル概念図一般市民向け

オーラルフレイルは簡単にチェックできます!

オーラルフレイルは、ご自身で簡単にチェックできます。チェックリストでご自身のお口の健康状態を確認してみましょう。5項目のうち,2項目以上に該当する場合には,オーラルフレイルに該当します。

質問 選択肢
該当 非該当
自身の歯は,何本ありますか?
(さし歯や金属をかぶせた歯は,自分の歯として数えます。インプラントは,自分の歯として数えません。)
0~19本 20本以上
半年前と比べて固いものが食べにくくなりましたか? はい いいえ
お茶や汁物等でむせることがありますか? はい いいえ
口の渇きが気になりますか? はい いいえ
普段の会話で,言葉をはっきりと発音できないことがありますか? はい いいえ

5つの項目のうち,「該当」が2つ以上あるとオーラルフレイルです。

オーラルフレイルに該当した場合には、かかりつけ歯科医やかかりつけ医、日本老年歯科医学会の専門医・認定医に相談しましょう。

医療・介護の専門職の方へ

オーラルフレイル(Oral Frailty)は,口の機能が健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態です。

咬みにくさ,食べこぼし,むせ,滑舌の低下などのオーラルフレイルの症状は,身体的(フィジカル)フレイル,社会的(ソーシャル) フレイル,精神・心理/認知的(メンタル/コグニティブ)フレイルなどに代表される,高齢期に生じる複数の課題が重複して生じる"口の衰え"であり,改善可能です。つまり,早期にオーラルフレイルの兆候を評価して適切な対策を行うことにより,機能低下を緩やかにし,さらには改善する可能性があります。これまでの介入研究の知見でも,その可能性が示されています。

オーラルフレイル概念図専門職種向け

オーラルフレイルは、Oral frailty 5-item Checklist(OF-5)を用いて評価します。検査機器がなくてもセルフチェック可能ですので,国民自身や歯科職種以外の多職種で評価可能である点が特徴です。OF-5の5項目のうち,2項目以上に該当する場合に,オーラルフレイルに該当します。ぜひ、ご活用ください。

さらに詳しくお知りになりたい方は、オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント をご覧ください。

滑舌低下の検査について

滑舌低下は、舌口唇運動機能の低下(巧緻性および速度)の指標です。舌口唇運動機能の検査法には、オーラルディアドコキネシスがあります。医療機関でない場所でも,簡便な測定装置もしくはアプリケーションを用いて実測が可能です。オーラルディアドコキネシスは、定量化が可能であり、臨床や研究で広く用いられています。口腔機能低下症の検査にも採用されています。OF-5に加えて活用されることが期待されます。

オーラルフレイルの概念普及の取り組み事例

行政・自治体

歯科医師会

企業

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資料

概念図、OF-5チェックリストの引用、利用に承諾は不要です。出典を明示していただければ、自由にご活用いただけます。出典の明示方法は、オーラルフレイル 3学会合同ステートメント(和文または英文)を参考文献として表示してください。OF-5チェックリストの体裁(レイアウト)変更は問題ありません。なお、いずれも著作権(複製権や翻訳権等の著作財産権、著作者人格を含む)を放棄するものではありません。

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