老年歯科医学用語辞典 追加用語

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緩和ケアチーム(palliative care team)

緩和ケアチームとは,学会や診療報酬制度,各種研究などによってそれぞれ定義が異なるが,回復することができない疾病により人生の最終段階を迎える患者に対し,医師・歯科医師・薬剤師・看護師・介護福祉士・歯科衛生士・臨床心理士など患者にかかわるすべての職種がチームで緩和医療を提供する体制をいう。緩和医療はわが国の診療報酬制度上,悪性腫瘍および後天性免疫不全症候群の患者に対して行われることとされているため,対象患者が絞られて定義されている場合があるが,WHO(世界保健機関)の定義では「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して,痛みやその他の身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題を早期に発見し,的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって,苦しみを予防し,和らげることで,クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を改善するアプローチである」とされ,対象患者を幅広く含めている。

口腔機能低下症(oral hypofunction,deterioration of oral function)

口腔機能の低下の一段階を示す用語であり,老年期において,「健康」から「オーラルフレイル」「口腔機能低下症」の途中段階を経て,「口腔機能障害」の順に機能低下が進行する。健康な状態に関してはポピュレーションアプローチで対応し,オーラルフレイルに対しては,地域保健事業や介護予防事業による対応が行われる。口腔機能低下症に対しては,一般の歯科診療所での対応,口腔機能障害に対しては,スキルを有する専門医療職による対応が必要である。

口腔機能低下症を構成する症状と検査法は,以下の7つである。

  1. 口腔不潔:舌表面の微生物数の計測(細菌カウンタ),または舌苔付着程度(TCI)の評価
  2. 口腔乾燥:舌粘膜湿潤度測定(口腔水分計),または刺激時唾液量測定(サクソンテスト)
  3. 咬合力低下:咬合力測定(感圧シート),または残存歯数
  4. 舌口唇運動機能低下:舌運動速度・巧緻性の計測(オーラルディアドコキネシス)
  5. 低舌圧:舌圧検査(舌圧測定器),または舌トレーニング用具による判定
  6. 咀嚼機能低下:咀嚼機能検査(グミゼリーのグルコース濃度測定),またはグミゼリー粉砕度評価
  7. 嚥下機能低下:嚥下スクリーニング質問紙(EAT-10),または自記式質問票

上記7項目のうち,3項目以上が該当すると口腔機能低下症と診断する。診断基準の確立や治療ガイドラインなどの整備が待たれる。

データヘルス計画(data health plan)

レセプト・健診情報などのデータ分析に基づき、保健事業をPDCAサイクルで効果的・効率的に実施するための事業計画のこと。高齢化や生活習慣病の増加に伴う医療費の増加を抑制するために、各保険者にて特定健診やレセプトなどの情報を活用することにより、実施する保健事業をより費用対効果の高いものとし、最終的には健康寿命の延伸を図ることを目指す施策である。すべての健康保険組合は平成26年度に計画を策定・公表のうえ、平成27年度からデータヘルス計画を実施しており、医療ビッグデータ分析を保健活動に活用する取り組みがなされている。

ミールラウンド(meal round)

医師,歯科医師,管理栄養士,看護師,歯科衛生士,介護支援専門員その他の職種の者が,認知機能や摂食嚥下機能の低下を伴う施設入所者に対し,机や椅子の高さなどの食事の環境,食事の姿勢,食事のペースや一口量,食物の認知機能,食具の種類や使用方法,食事介助の方法,食事摂取量,食の嗜好を観察し,カンファレンスなどを行い入所者ごとに経口摂取の維持支援の充実を図ること。「多職種による食事の観察評価」ともいう。
平成27年度の介護報酬改定では,経口維持加算の要件を変更して経口摂取の維持支援を充実させる観点より,多職種によるミールラウンドやカンファレンスなどの取り組みのプロセス,および咀嚼能力などの口腔機能を踏まえた経口維持のための支援を評価するようになった。

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